PDF を別々のファイルやページに分割する方法

Mac で PDF を分割するには、プレビューで開いてサムネールを表示し、必要なページをデスクトップにドラッグします。コマンドラインでは qpdf --split-pages で1ページずつファイルにでき、pdfseparate も同様です。FileReshape の「PDF 分割」は、1ページごと、ページ範囲ごと、N ページごとにブラウザー内で分割し、PDF はアップロードされません。

分割・抽出・削除の違い

「PDF を分割する」という言葉は、いくつかの異なる作業を指して使われるので、自分に必要なのがどれかを知っておくと便利です。分割とは、1つの PDF を複数のファイルに分けることです。たとえば1ページずつのファイルにしたり、スキャナーでまとめて読み込んだ請求書を1通ずつのファイルにしたりします。抽出とは、契約書の署名ページのように、一部のページを取り出して1つの新しいファイルにすることです。ページの削除とは、文書を1つのファイルのまま保ち、不要なページだけを取り除くことです。

この3つは、内部ではどれも同じ仕組みで動きます。優れたツールはページを描き直すのではなく新しいファイルにコピーするので、テキストは選択できるまま、スキャンは画質を保ったままで、再圧縮も行われません。新しいファイルは通常、ページ数にほぼ比例して元のファイルより小さくなります。ただし、複数のページで共有されているフォントや画像は、それを使う各ファイルに改めて保存されるため、分けたファイルの合計が元のファイルより大きくなることがあります。

Mac のプレビューで PDF を分割する

プレビューには「分割」コマンドはありませんが、分割の作業はできます。いちばん手早いのは、サイドバーからサムネールをドラッグして外に出す方法です。最近の macOS では、プレビューがドラッグしたページだけを含む新しい PDF を、元のファイル名にちなんだ名前で作成します。1ページずつのファイルにするには、ページを1枚ずつドラッグしてください。

もう1つの方法は印刷を使うことです。「ファイル」>「プリント…」を選んでページ範囲を入力し、ダイアログ下部の「PDF」メニューを開いて「PDF として保存」を選びます。これで、指定したページだけを含む新しいファイルが書き出されます。印刷ではページが作り直されるため、リンクやフォームフィールドが失われることがあります。元の状態をより多く残せるのはドラッグする方法です。なお、プレビューでページを削除すると開いているファイルそのものに変更が保存されるので、その方法をとる場合はコピーで作業してください。

  1. PDF をプレビューで開き、「表示」>「サムネール」を選びます。
  2. 必要なページを選択します。複数のページを選ぶには Command キー、連続したページを選ぶには Shift キーを押しながらクリックします。
  3. 選択したサムネールをデスクトップまたは Finder のウインドウにドラッグします。
  4. そこに作成された新しい PDF の名前を変更します。

コマンドラインで qpdf を使って PDF を分割する

qpdf は無料のオープンソースソフトで、Linux、macOS、Windows で動作します。--pages オプションを使うと、ページ範囲から新しいファイルを作成できます。ドットは「入力ファイル」を意味し、2つのハイフンでページの指定を終えます。範囲はカンマで組み合わせることができ、z は最後のページを表すので、5-z は5ページ目から最後までという意味になります。

--split-pages オプションは1ページずつファイルを書き出します。--split-pages=2 のように数字を付けると、各ファイルがそのページ数ずつになるので、まとめてスキャンした2ページの書類の束を分けるのに便利です。出力ファイル名の %d はページ番号に置き換えられ、ファイルが正しく並ぶようにゼロで桁がそろえられます。

# Pages 1 to 3 into a new file
qpdf input.pdf --pages . 1-3 -- part1.pdf

# Pages 2, 5 and 8 to the end
qpdf input.pdf --pages . 2,5,8-z -- selection.pdf

# One file per page, or a new file every 2 pages
qpdf --split-pages input.pdf page-%d.pdf
qpdf --split-pages=2 input.pdf part-%d.pdf

pdfseparate で PDF を分割する

pdfseparate は Poppler に含まれており、多くの Linux システムでは poppler-utils パッケージ、Mac では Homebrew の poppler パッケージで入手できます。常に1ページずつファイルを書き出し、出力ファイル名にはページ番号に置き換わる %d を含める必要があります。範囲を限定するには -f と -l を使います。複数の単独ページを1つのファイルに戻すには、対になる pdfunite が逆の処理を行います。

# One file per page, for pages 3 to 7
pdfseparate -f 3 -l 7 input.pdf page-%d.pdf

Adobe Acrobat で PDF を分割する

Adobe Acrobat では、分割は「ページを整理」(Organize Pages)ツールの機能の1つで、Acrobat の有料機能に含まれます。無料の Acrobat Reader ではファイルを分割できません。「ページを整理」ではすべてのページがサムネールで表示され、「分割」オプションを使うと、ページ数、最大ファイルサイズ、または最上位のしおりを基準に文書を分けられます。しおりで分割する方法は、章ごとにしおりがある報告書やマニュアルで役立ちます。メニュー名はバージョンによって変わっているので、ツールの一覧で「ページを整理」を探してください。

Windows で追加のソフトなしに PDF を分割する

Windows には PDF を分割する標準のツールがありません。Microsoft Edge で PDF を開いて「印刷」を選び、ページ範囲を入力して、「Microsoft Print to PDF」または「PDF として保存」で印刷する方法はあります。ただしプレビューで印刷する方法と同じく、ページが作り直されるため、リンク、しおり、フォームフィールドが失われることがあります。ソフトをインストールできない場合は、ページをコピーするブラウザーのツールを使う方がきれいに分割できます。

FileReshape を使ってブラウザーで PDF を分割する

FileReshape の「PDF 分割」ツールは、Windows、Mac、Linux、Chromebook、スマートフォンの最新のブラウザーで動作します。PDF はお使いの端末上で読み込まれて分割され、アップロードされません。ファイルをドロップするとすべてのページのサムネールが表示されるので、各ファイルがどこから始まるかを確認できます。分割方法は3つから選べます。「1ページごとに別々の PDF にする」では、1ページずつのファイルになります。「ページ範囲で分割」では、1-3, 5, 8-10 のように入力した範囲ごとに1つのファイルができ、「8-」は8ページ目から最後のページまでを意味します。「N ページごと」では N ページごとに新しいファイルが始まり、最後のファイルには残りのページが入ります。

範囲は重なってもかまわないので、「1-2, 1-5」と入力すると、どちらも1ページ目から始まる2つのファイルができます。表紙をすべてのファイルに付けたいときに便利です。複数のファイルは ZIP ファイルとしてまとめてダウンロードされます。範囲が1つだけなら、1つの PDF になります。ファイル名は元のファイル名をもとに、1ページなら report_page3.pdf、範囲なら report_pages1-4.pdf のように付けられ、10ページ以上の文書では番号の桁がゼロでそろえられます。

ページ番号はファイル内の位置で、最初のページから数えます。前書きにローマ数字を使うなど、PDF に独自のページラベルがある場合は、照らし合わせられるようサムネールに括弧付きで表示されます。分割した各ファイルには、そのファイルのページを指すしおりが残り、フォームフィールドは現在の値が入ったまま入力できます。別のファイルに移ったページへのリンクは、切れたまま残すのではなく削除されます。ページラベルは引き継がれません。分割したファイルではデジタル署名は有効でなく、暗号化された PDF は分割できません。

  1. 「PDF 分割」のページを開き、PDF をボックスにドロップします。
  2. 1ページごと、ページ範囲、N ページごとのいずれかを選び、必要に応じて範囲や数を入力します。
  3. 「PDF を分割」をクリックし、ZIP ファイル、または1つの PDF をダウンロードします。

ページの抽出・削除・並べ替え・結合を使う

2、7、9ページのように離れた数ページを1つのファイルにまとめたい場合は、「PDF ページ抽出」ツールを使います。サムネールをクリックするかページ番号を入力すると、それらのページを元の順番のまま含む新しい PDF が1つできます。「PDF ページ削除」ツールはその逆で、選んだページを取り除いた文書を保存します。両面スキャンで出た白紙の裏面を手早く取り除くのに便利です。

ページの順番を変えたり、回転させたり、一部を削除したりを1回でまとめて行うには、「PDF ページ並べ替え」を使います。また、別々のファイルの一部を1つの文書にまとめたい場合は、先に分割または抽出してから、「PDF 結合」で結合してください。これらのツールも分割ツールと同じく、ファイルをアップロードせずにブラウザー内で動作します。

よくある質問

PDF を分割すると画質は落ちますか?

qpdf、pdfseparate、Acrobat、FileReshape のように、ページをコピーするツールなら落ちません。テキスト、画像、図形はそのまま引き継がれます。新しい PDF に印刷する方法では、リンクやフォームフィールドが失われることがあります。

PDF を同じページ数ずつに分割するにはどうすればよいですか?

qpdf の --split-pages に数字を付けるか、Acrobat のページ数による分割、または FileReshape の「PDF 分割」ツールの「N ページごと」を使います。最後のファイルには余ったページが入ります。

FileReshape で分割すると PDF はアップロードされますか?

いいえ。ブラウザーが PDF を読み込み、お使いの端末上で分割したファイルを作成します。サーバーには何も送信されません。

スキャンした PDF も分割できますか?

はい。スキャンした各ページは PDF 内の画像で、そのまま新しいファイルにコピーされるので、画質は変わりません。

パスワードで保護された PDF を分割できますか?

FileReshape では暗号化された PDF は分割できません。PDF リーダーでパスワードを入力してファイルを開き、許可されている場合は保護なしのコピーを保存して、そのコピーを分割してください。